
YouTubeのライブ配信って何?配信のやり方や収益化の仕組みを基礎から解説
YouTuberは子どものなりたい職業の上位にランクインするほど人気のある仕事です。
そして今、YouTubeが新たに開始したサービスであるライブ配信が、脚光を集めています。
人気のYouTuberやタレント、企業、一般人などが、さまざまな動画をリアルタイムで配信することで、盛り上がりをみせているのです。
そこでこの記事では、YouTubeのライブ配信とは何か、その配信方法や収益化の仕組みなどを紹介します。
目次で確認
1. ますます盛り上がりをみせるYouTubeのライブ配信とは
1-1. YouTubeのライブ配信は生放送のコンテンツ
YouTubeのライブ配信とは、YouTubeが提供しているリアルタイムで動画を配信できるサービスです。
撮影後にアップロードされる一般的なYouTubeの動画と違い、YouTubeのライブ配信は、テレビの生放送のようにリアルタイムで配信できるのが特徴です。
また、リアルタイムで双方向コミュニケーションができ、視聴者参加型の仕組みを提供していることにも特色があります。
従来の動画においては、視聴者からの反応(コメント)にタイムラグがありましたが、YouTubeのライブ配信では、配信者が即座に視聴者のコメントを見ることができます。
そのため、視聴者参加型のQ&Aを企画したり、コメントに対してリアクションを取ったりもできるのです。
1-2. さまざまな動画が個人レベルで配信されている
ライブ配信されている内容は実にさまざまです。
ギターの弾き語りをしたりイラストを書いたり、テレビゲームを実況中継したりするなど、幅広い内容が一般の人たちから配信されています。
また、テレビでおなじみの有名人や文化人など影響力のある人たちも、それぞれの個性を生かして続々と配信をしています。
政治をテーマにしたコンテンツなど、従来は収益化できなかったようなジャンルの配信が盛んになってきているのも、ライブ配信の特徴といえるでしょう。
また、YouTubeがVR、360°にも対応して以降、これらの形式でのライブ配信も活発になってきています。
2. youtubeのライブ配信のやり方
2-2. スマホ一台あればライブ配信が可能
YouTubeのライブ配信が盛り上がりをみせている背景のひとつは、配信者が手軽にライブ配信をできる状況が整ってきたことが挙げられます。
それによって、チャンネル数(配信者の数)が増え、視聴者も増えてきているというわけです。最も一般的なライブ配信のやり方は、パソコンを使う方法です。
たとえばウェブカメラ・マイク・配信ソフトの3つがあれば、パソコンからライブ配信ができます。
また、公式アプリを利用すれば、スマホからライブ配信することも可能です。
撮影準備が整ったら「ライブ配信」のボタンを押すだけで、即座に配信をスタートできるのです。
ただし、スマホから直接ライブ配信をするには、チャンネル登録者が1000人以上という条件をクリアする必要があります。
2-3. NGの内容もある
YouTubeのライブ配信にはコミュニティガイドラインが設けられています。
たとえば、ヌードや性的な内容、暴力的な映像、嫌がらせ・脅迫など、ガイドラインに違反する動画は配信できません。
一般的には、子どもに見せられるかどうかを基準にして判断すれば、違反になることは少ないはずです。
3. YouTubeのライブ配信のメリットは
3-1. メリット1:利用者数が多い
YouTubeの他にも、ライブ配信を提供しているサービスはいくつかあります。
代表的なサービスを挙げると、ニコニコ生放送、ツイキャス、Twitchなどです。
しかし、これらのサービスと比較しても、YouTubeの利用者は群を抜いています。
多くの視聴者を獲得して収益化しやすいのはYouTubeのメリットです。
3-2. メリット2:高画質・高音質
YouTubeはビットレートの制限がないので、他のライブ配信サービスに比べて高音質・高画質のライブ配信が可能です。
月額料金を払わず、ここまで質の高い動画をライブ配信できるのは、他のサービスにはない魅力といえるでしょう。
たとえば自社の商品紹介で細かなところまで鮮明に映したい場合や、コンサートを高音質で配信したい場合などは、YouTubeのライブ配信が適しています。
3-2. メリット3:アーカイブ保存期間が無制限
アーカイブの保存期間が無制限なのもメリットです。
YouTubeのライブ配信は、配信終了後に自動的にアーカイブとして保存され、通常の動画と同じように閲覧できる状態になります。
興味を持った人がいつでも見られる状態になるので、動画の本数が多くなるほど、収益化しやすくなるでしょう。
メリット4:編集の手間がかからない
基本的に、ライブ配信はカメラで撮影した映像がそのまま流されます。
動画を編集して余分な部分をカットしたり、効果音や文字情報を追加したりする必要がありません。
動画を加工して配信することはできませんが、そのぶん手間がかからないメリットがあります。
ビデオ電話のような感覚で手軽に動画を配信できるのは、メリットのひとつといえるでしょう。
3-4. デメリットはややタイムラグがあること
YouTubeのライブ配信は他の類似サービスに比べて総合的に優れており、大きなデメリットはないといえます。
ただし、ニコニコ生放送、ツイキャスでは配信の遅延がほぼないのに対し、YouTubeのライブ配信では15~30秒程タイムラグが生じる場合があります。
たとえば
・「イベントの実況中継で現実とずれてしまう」
・「視聴者参加型のゲーム配信でコミュニケーションがスムーズにとれない」
などのデメリットが生じるかもしれません。
4. YouTubeのライブ配信に必要なものなど
4-1. 必要なもの
スマホ一台でYouTubeのライブ配信は可能です。
ただ、パソコンで配信する人も多いため、ここでは一般的に用意しておくとよいものを紹介します。まず、カメラです。
パソコンに内蔵しているカメラがない場合、ウェブカメラを購入するのが一般的です。
カメラの位置を自由に変えられる点でも、ウェブカメラは便利に使えます。次にマイクです。マイクを使って視聴者に語りかけたり、周囲の音を拾ったりする際に使います。
机などに置いて使うスタンドマイク、ヘッドフォンと一体のヘッドセットマイク、ウェブカメラと一体型のヘッドセットマイクなどがあるので、配信スタイルに合わせて選びましょう。
配信ソフトも必須です。配信ソフトは配信開始・終了などの操作に使うほか、自分のパソコンの画面を動画で配信するためなどに使います。
YouTubeが配信ソフトとして推奨しているのは、無料の「OBS Studio」です。
ただし、画質にこだわる人は、XSplitなどの有料ソフトを使う人もいます。
その他、3DS、PS Vita、PSP、スマホなどでプレイしているゲームを配信したい場合には、キャプチャボードが必要です。
ゲーム機ごとに種類や接続方法が違うので、詳しくはゲーム機のメーカーサイトなどを確認しましょう。
4-2. YouTubeのアカウントの設定
ライブ配信をするためのYouTubeの登録には、Googleアカウントが必要です。
登録の際にはSMSによる認証手続きがあるので、電話番号も用意しておきましょう。
登録が完了したら、YouTubeのサイトの「クリエイターツール」で「ライブストリーミング」の設定を有効にします。
4-3. 配信ソフトの設定
配信ソフトには、YouTubeのサイトの「クリエイターツール」にある「ライブストリーミング」の項目の「ストリーム名/キー」を設定する必要があります。
OBS Studioの場合、YouTubeの「ストリーム名/キー」と同じ内容を「ストリームキー」という欄に入力すれば設定完了です。
また、配信ソフトによって映像や音声の細かなカスタマイズもできるので、必要に応じて設定しましょう。
5. YouTubeのライブ配信で収益化する方法
5-1. Super Chat
Super Chat(スーパーチャット)は視聴者が配信者を応援するために提供されているサービスです。
要は投げ銭のようなものと考えておけばよいでしょう。
「スパチャ」などと呼ばれることもあります。
視聴者が配信者に100~5万円の範囲でお金を送れるようになっていて、金額に応じて、コメントが一定時間固定表示されるなどの特典を受けられます。
人気YouTuberのなかには、このSuper Chatだけで、月に数百万の利益を出す人もいるようです。
ライブ配信の視聴者を増やし、熱心なファンを獲得するなどの努力次第で、収益化のメインにすることも可能といえるでしょう。なお、配信者の取り分は、Super Chatの金額の7割です。
5-2. 広告表示
YouTubeの設定で「収益化」を有効にすると、動画の再生前や途中に広告が表示されるようになります。
そして、CMの再生回数やクリックの数に応じてGoogleから広告料が支払われます。
広告の配信回数やタイミング、広告の掲載場所など、配信者が設定できる項目もあるので、配信内容などに合わせて設定しましょう。
5-3. チャンネルメンバーシップ
チャンネルメンバーシップとは、視聴者が気に入ったチャンネルに対して月額料金を支払うと、公開バッジや絵文字を利用できる特典が受けられる制度です。
ファンクラブのようなものと考えておけばよいでしょう。
月額料金490円(2019年11月現在)のうち、7割が配信者の収益になります。
ライブ配信で熱心で継続的なファンを獲得できれば、チャンネルメンバーシップによる収入も期待できるでしょう。
6. YouTubeのライブ配信はアイデア次第で収益化可能
YouTubeのライブ配信は手軽に始められるのがメリットです。
個人の趣味の延長からビジネスとしてのライブ配信まで、幅広く活用できるでしょう。
配信料が無料であることやアーカイブを無制限に残せることなど、他の類似サービスと比べてもメリットが多いといえます。
YouTubeのライブ配信で収益化を目指してみてはどうでしょうか。



